海から谷に沿って吹き上がる湿った空気は山の麓を一瞬にして濃い霧で包んでしまう。村人は 動かず霧が薄れるまで待てと古老から教え込まれている。女はひとりでその山に入るなと言われてきた。
ワシは老婆にそのわけを尋ねた。
老婆の語る内容は他言無用と口止めされた。警察が捜索に入ったこともあったが判明しなかったそうです。村長は観光に力を入れており、その手の話が村人から広まることを恐れている。都会に近くて、たくさんの人が渓谷のペンションに泊ってくれているからです。
そして 老婆の語る話とは、
先も見えない濃霧の中に、小屋が突然現れるというのだ。入り口には名を掲げた看板があるのだそうだが、山を下るまでに不思議とその名を忘れてしまうのだそうだ。エントランスに灯るレトロ風ランタンが小屋の印となっているそうだ。小屋が現れると村人は警戒するのだが、若い女は吸い寄せられるように中に入ってしまうのだそうだ。
先週も濃霧と共に小屋は現れ、偶然山中にいた30過ぎの女が入ったそうだ。数時間後に霧は晴れ 女は何事もなかったがごとく山を下ったようだが、小屋を覗く者あれば やせた老人が女の腰を激しく突き悦びに浸る女を見たであろう。小屋に入った女は翌年もやってくるという。
夏の終わりと共に濃霧の発生は減り小屋は現れなくなるそうだ。
このランタン、高価なのかと思ったら3000円くらいしかしないんですね(^^)
返信削除ひめはそういう現実的なことばかりに目を奪われる。(爆)
削除ぜんぜん関係ありませんが、ひらり庵で「むすんでひらいて」を公開しました。
返信削除https://hirariann.blogspot.com/p/blog-page_12.html
傑作!! 日本一は世界一ですから世界最高の写真集です。
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