2015年2月3日火曜日

One Way Ticket

One Way Ticket

毎年何百万人という日本人が海外に出かけてゆく。格安航空券が手に入れば経費だってだいぶ節約できるようになりました。シベリア鉄道を使ってヨーロッパに向かった当時の貧乏学生は隔世の感を抱いていることでしょう。沢木耕太郎『深夜特急』は当時の雰囲気を結晶化させた記念碑か。

しかし、異国のホテルで次の目的地まで航空券を自分で買える人となるとその数は極端に少なくなってしまうのだろう。たぶんウン十万人のオーダーになるのだろう。平均的日本人はそんなものか。

ボーダーレスな未来か、民族主義台頭の未来か。自国語で先端科学技術まで学べる国は 非白人国ではいまもって日本だけでしょう。藤原正彦さんの指摘のように、品格の国で有り続ければ良いのかも知れない。

後藤健二氏は「自己の責任でシリアに入った」という議論があります。

世耕弘成官房副長官は2日夜(20150202 )、「われわれは自己責任論の立場には立たない。国民の命を守るのは政府の責任で、後藤さんを守れなかったのは政府の責任だ」と述べたそうです。その見識を評価します。例えば犯罪者であろうが海外では国民のひとりとして政府は保護しなければならない。しかし、殊に人権擁護派がそのことを理解できているのかどうか。
世耕弘成官房副長官という方は、安倍首相が外国訪問しその地で記者会見を行う時など かならずTV局のカメラ枠の片隅に写っている方です。

邦人救出のため 警察権の枠内で自衛隊を活用できないかという議論が今後強まる可能性があります。Host nation(受益国)からの許可が最低条件でしょうが、その時は、国家公安委員長の指揮下に入ることになるのでしょうか。なぜなら警察権の長は国家公安委員長だからです。

日本はインテリジェンスに弱いことを露呈した。そして国家安全保障はその上の階層に置いて議論されなければなりません。むかし、むかし、イスラム圏で『ハリマオ』と呼ばれ東南アジアを舞台に活躍した邦人がおりました。『快傑ハリマオ』のモデルとされた人です。毀誉褒貶ある人ですが、インテリジェンスを考える場合 彼は取り込むべき人であったでしょう。世界文明の衝突が露わになったからには私達は極めて冷静に考えるべきです。ジハード(聖戦)とクルセーダーズ(十字軍)の衝突などと煽ってはいけません。

後藤健二さんはシリアに片道キップで旅立ってしまいました。彼はもっともっと活躍すべき人だったでしょう。

優れた人は あっという間に 天上に輝く星となってしまう。

  Kenjiwe miss you.